【注文住宅】省エネ住宅を賢く安く!コストカット術8選:わが家の実例を紹介します

家づくり

住宅を建てて2年が経ちました。建築面積20坪弱(延べ床面積33坪)、吹き抜けのある、老後を見据えた1階完結型の家をめざし、家族4人が快適に過ごせる家を完成させることができ、とても満足しています。

建築当時は、ウッドショックによる資材価格の高騰に直面し、当初の予算を大幅に超える見積もりにびっくりしました。あらゆるコストダウンの方法を検討し、大幅なコストカットを実現しました。

「今」だけではなく「これから」の使い方も考えておくことで、無駄をなくし、ライフステージの変化に柔軟に対応できる「可変性のある空間」ができあがります。

わが家で実践して、やって良かったコストカット術8つを紹介します。少しでも家づくりを考えている方の参考になれば嬉しいです。

1,建物の凸凹を無くし、シンプルな作りにする 

家の形状は複雑になるほど、基礎や外装にかかる費用は膨らみます。できるだけ凹凸の少ない形状にすることが材料費や施工費を安く抑えるポイントです。

実際、家の中も凸凹が少ないほうが、家具の配置をしやすく掃除もしやすいと感じます。

2,延べ床面積を狭くする

延べ床面積が広くなるほど、建築費用は高くなり、固定資産税などの金額も上がります。延べ床面積を1坪減らすだけで数十万円のコストカットが可能です。

 階段を中心とした回遊動線にする

階段を中心とした回遊動線を採用しました。回遊動線を作ると廊下や行き止まりといった無駄なスペースが削減されます。どちらの方向からでも目的地に行けて、動線が重なりにくく、朝の忙しい時間帯や、来客時にも便利です。

 廊下に洗面台を設置する 

廊下に洗面スペースを配置し、脱衣室と分けることで、誰かが入浴中でも別の家族が洗面台を使えるため、生活ストレスが軽減します。洗面スペースは玄関から入ってすぐにあります。帰ってすぐに手洗いうがいができるのも良かった点です。

トイレを階段下に設置する

階段下には十分トイレを設置できる広さがありました。我が家は幅780mm×奥行き1690mm一番高いところで高さ2437mm低いところで高さ1930mmでのスペースを確保することができました。

戸建て住宅の場合トイレの平均坪数は0.5坪。幅800mm×奥行き1600mmが一般的です。一方分譲マンションのトイレは、戸建てに比べて少し狭めに設計されており、約0.4坪、幅800mm×奥行き1200mmの間取りが平均的と言われています。

階段下をトイレと収納にしたことで、もともとトイレにする予定だった面積をシューズクロークに置き換えることができました。

リビング階段にする

家の中心に階段があるメリットとして、家族の顔を合わせる機会が増える、廊下を減らしどの部屋にもアクセスしやすくなる、階段周辺のスペースを有効活用できる、各部屋を大きくとれるなどがあります。

家族とのコミュニケーションは、子どもの思春期は時々難しいことも出てくるでしょう。会話が少ない時期があってもお互いの存在を感じることは大事に思います。我が家の子供たちはまだ小さいですが、将来を見据えて、コミュニケーション空間を先に作っておくこともリビング階段を採用した大きな理由です。

客間を作らない・和室をなくす

家を建てる計画を始めてからずっと、家族が安心して住める家族のための家を作るというコンセプトが変わらずありました。

お客さんが来ることがあっても、泊ることが年に何回あるか?親戚や気心知れた友人が来て泊るのであれば、普段使っている部屋を使ってもらっても良いのではないか。そう考えて客間を作らないことに決めました。

また、将来的に階段を上るのが難しくなった時のために、1階で生活が成り立つ1階完結型の家を考えていました。

終の棲家となるであろうこの家で、将来は1階でベッドを使用するであろうことから、洋室の方が汎用性があって良いだろうという結論に至りました。

和室の客間ではなく普段使いのできる洋間。私たちにとって結果的に和室を作らなかったことがコストダウンにつながりました。住み始めてから2年目になりますが、今のところ困ったことはありません。

バルコニーを作らない

我が家は家族に花粉症があるため、完全に割り切って外に洗濯物を干すことをやめ、乾燥機(乾太くん)を使う選択をしました。ランドリールームを充実させ、洗濯のすべてをランドリールームで完結するようにしたことで、日々の洗濯が格段に楽になりました。外壁に物干し金物も付けていません(コストカット)。

バルコニーを作らないメリットは、バルコニーの掃除をしなくてよい、メンテナンス費用が掛からないなど、住んでからのコスト面でもメリットがあります。

玄関を広くしすぎない

我が家の玄関は1.5P×1.5P(1365㎜×1365㎜:1P=91cm)。4人家族で十分の広さです。大人2人で余裕で並んで靴を履けます。

玄関をすっきり使うために靴箱は置かず、0.75畳のシューズクロークを作りました。

入口幅は567.5㎜、中に入ると幅1P×1.25P(91㎜×1137㎜)の大きさ。入口の幅は狭くないかとかな不安でしたが結果は問題なし。人がひとり通ることができれば収納は作れるのだと身をもって学習しました。

3,不要な窓を減らす

窓を減らすことはコストダウンになるだけではなく、断熱・省エネの面でもメリットにつながります。窓は採光・換気に役立ちますが、性能によっては冬は暖房効率を落とし、結露やカビの悩みがあり、夏は西日の暑さに悩まされます。

トイレの窓

わが家の階段下トイレには窓がありません。トイレに窓が無くても特に困ることはありませんでした。マンションの間取りも沢山見て勉強しましたが、そもそも分譲マンションのトイレには窓がないところが多くあります。窓が無くても換気扇で十分喚起ができるからです。

窓がないことのメリットは、窓からの冷気を入れない、防犯になる、窓の掃除がいらないことでしょう。トイレの窓を付けるために外に防犯柵をつけることも不要です。これも結果的にコストダウンにつながります。

風呂場の窓

トイレと同様で、風呂場に窓を設置しないメリットは窓からの冷気を入れない、防犯になる、窓の掃除がいらないことです。もちろん防犯柵も不要。「入浴中」の不要な個人情報は外に出したくありません。

特に風呂場は湿度が高いため、かびやすく掃除は必須です。かびやすい場所No.1の風呂場の窓の掃除から解放されるのも大きなメリットでした。

勝手口を作らない

勝手口を作らないことは直接防犯につながります。冷気も入れません。カギを閉めたかなという心配も不要です。

4,扉の数を少なくする

ファミリークローゼット、ウォークインクローゼット、シューズクローク

クローゼットはそもそも使うのは家族のみ。湿気がこもることもなく、扉がないほうが使いやすいので、扉の必要性を感じませんでした。

気になったらロールスクリーンを設置するつもりでしたが、利便性がよいのでオープン仕様で使用しています。

子ども部屋のクローゼット

子どもは成長するにつれて、服や持ち物の量・種類が変わります。最初から固定のクローゼットを設置してしまうと、後で使い勝手が悪くなることもあるかと思い、クローゼットそのものを設置せず、子どもが小さい現在はカラーボックスを使用しています。

将来的に可動式収納家具や壁面収納を設置するなど、子どもの成長に合わせて必要な収納を取り入れ、対応することにしました。

子ども部屋の間仕切り壁

子ども部屋を将来的に仕切る予定ですが、最初は壁を作りませんでした。子どもの成長に応じて、本棚や可動式収納を仕切りになるように取り付けることにしました。そのため子どもが小さいうちは広々と使うことができ、家族全員で寝る部屋として使っています。

5,設備を厳選する

トイレの数と性能

2階トイレは最初から検討しませんでした。

オフィスに必要なトイレ数は法律で決められているのをご存じでしょうか。厚生労働省が定める「事務所衛生基準規則」に基づき、女性用は同時に就業する女性労働者20人以内ごとに1個以上、男性用小便所は同時に就業する男性労働者30人以内ごとに1個以上、男性用大便所は同時に就業する男性労働者60人以内ごとに1個以上だそうです。

オフィスではないけれど…我が家は家族4人。1個で十分というのが我が家の結論。

また、タンク式トイレかタンクレストイレかを決める際、コストダウンを念頭に置いたとき、タンク式トイレ一択でした。理由は、価格が安いのはもちろんですが、トイレの部品をパートごとに取り換えることができるからです。タンクレストイレは便器と便座がセットになっていることから、一部の部品のみを取り換えることはできません。

トイレの耐用年数は約10~15年とされています。トイレを丸ごと交換するのは遅くて15年先。その前に部品が壊れたり、交換したいときに、パートごとに交換出来たら気持ちよく使えるなぁと思います。

壁、天井の機能性壁紙をやめる

壁紙と天井のクロスは、リビングを除くすべてを1種類に統一しました。

ハウスメーカーの完成見学会など、内装を見せてもらえる機会を逃さず、カタログだけではなく実物をみて決めました。

機能性壁紙は、防カビ、汚れ防止、消臭などの機能があるといわれますが、必要とされるのはトイレ・洗面脱衣室・キッチンが主な場所。窓を少なくすることで壁紙に求める機能の半分は解決しますので、機能性のないクロスを選びました。これも微力ながらコストダウンに結び付きました。

キッチン3口IHヒーターをやめて、2口IHヒーター+ラジエントヒーターにする

キッチンはこだわりたいスペースでもあるのですが、標準設備にしたり、IHヒーターの数を減らすことでコストカットが可能です。

料理が大好きで、これまで3口ガスコンロを使っていたこともあって、コンロは3口欲しいとずっと思っていましたが、実際2口+ラジエントでも日常の調理には十分対応できました。個人的にはこの選択を間違わなくてよかったと思っています。

カーテンレールを標準仕様にする

カーテンレールは目立たせる必要がないと考え、壁色に馴染む標準仕様のシンプルなレールを選びました。

結果、余計な装飾がない分、インテリアがスッキリ。コストを抑えつつ満足度の高い仕上がりになりました。

6,施主支給を増やす

ペンダントライト 

施主支給ではペンダントライト7000円×3。これも大きなコストカットでした。

理想の形を求めてやっと出会えた形と価格です。

カーテン

価格相場は「1坪1万円」とも言われるカーテン、ハウスメーカーに依頼すると我が家の場合30万円ほどかかる計算でした。

我が家は、吹き抜けの3連窓以外のすべての窓のカーテンをIKEAで揃えリビング、洋間、子ども部屋(腰高窓2間分)、主寝室(腰高窓1間分)のカーテン、長さ調節も含めて5万円以内に収まりました。大幅コストカットです。

洗面台の鏡(48㎝×120㎝)、ランドリールームのメイクコーナー鏡(40㎝×55㎝)、玄関のシューズクローク姿見(20㎝×120㎝)、ウォークインクローゼット姿見(20㎝×120㎝)を設置しました。これらの鏡はすべてIKEAで揃えました。

特に洗面台に設置した鏡、横幅も120㎝ピッタリ、IKEAで1,999円の破格!!! そのほか姿見サイズも999円と破格ぞろいでした。

カップボード

IKEAのメトード。組み立てを自分たちで行うことでコストカット。子どもたちが寝た後に少しづつ作業し完成まで2週間ほどかかりましたが、作り上げたという思い入れもあり、完成した時は本当に嬉しかったです。

ハウスメーカーでメーカー品を入れてもらうよりも大幅なコストカットになり、さらに天板の奥行きが60㎝と広く使えることで、利便性が上がりました。

そのほかトイレの紙巻、タオルハンガー、物干し用アイアンバー、寝室/子ども部屋の照明を施主支給しました。

7,外構はハウスメーカーとは別の業者を検討する

ハウスメーカーで外構までお願いすると、すでに完成イメージの共有ができていることもあり話がスムーズに進み、決定/確認事項が多い疲れ切った建築後半の心と体にはとても楽なのですが、想像以上にコストがかかります。実は専業業者の方が、安くなることもあるし、選択肢が増えることもあります。

わが家は、コストはもちろん防犯の面も考慮し、外からの死角が少ないオープン外構にしました。塀や門扉は付けず、玄関前にポストと門柱、隣家に面した庭の境界に目隠しフェンス。そして犬走りはオワコンを採用しました。これはやって本当に良かった!

犬走の雑草にはかなり悩むらしいとネットで検索してから、犬走りを砂利で埋めるか、土間コンを流すか、他に方法がないかと沢山調べました。そこで出てきたのが透水性土間コンクリート「オワコン」です。見た目は砂利とコンクリートを合わせたようなたコンクリート。業者にもよるようですが、費用は土間コンクリートの2/3程度、DIYもできるようです。

とても魅力的なオワコンですが、何社か相見積もりを取ってみて、価格の差に愕然としました。同じ条件なのに、~万円ほどの差がありました。施工経験が無いと価格が高くなる傾向がありました。

コストを抑えるためには見積もりをしっかりとることがとても大事になります。

そんな中でも、施工経験がないけれど、いろいろと相談に乗ってくれた会社が結果的に一番価格が安かったため外構をお願いすることにしました。外構もお家同様、完成したら終わりではなく、メンテナンスが必要となります。気持ちが良いお付き合いができるかどうかも大事だと思いました。

下記はオワコンの施工が終わり、乾燥待ちの状態です。2シーズン過ごしてみて、犬走りの手入れは皆無でした。夏場の雑草、本当に生えない! オワコンの上で手持ち花火もできて、子どもにも嬉しい環境になりました。

★水はけがよいので、水勾配をつけなくても良い

まとめ

家族にとって本当に必要か?を徹底的に考えて、コンパクトで快適なお家ができました。「今」だけではなく「これから」の使い方も考えておくことで、無駄をなくし、ライフステージの変化に柔軟に対応できる「可変性のある空間」ができあがります。

わたしたちの家づくりが、これから家づくりを考えている方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

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